とってもきれいな純粋な絵本です。
生まれたばかりの赤ちゃんに捧げる絵本。
何にもないところに、本当のことのだけを語ってくれる絵本。
作者さんは、赤ちゃんが生まれてとっても嬉しかったのでしょうね。この世できれいな、きらきらしたのもだけを集めた絵本を作ろうとしたみたい。
そしてそれを見事に絵にした約者さんがいます。
赤ちゃんが宇宙のまたその遠くの宇宙からやってきました。はじめて見る地球、宇宙。期待するものもなく、臆するところもなく、ただ無からの出発。
宇宙を俯瞰するところから始まり、地球、陸、海、空、人間、動物と徐々にその視点は小さくなっていきます。そして時間、歴史、経験と見えない世界を旅するうちに再び世界は広がっていき、また宇宙に到達します。
最後に、赤ちゃんおめでとう、きみはひとりじゃない、とこころで結びます。こころは宇宙よりも広い、さあぼくのもとへおいで!と。
文字の読めない赤ちゃんでも目はぼんやりと見えています。母親が授乳する距離が一番焦点があっています。ご両親が赤ちゃんと一緒にこの絵本を読んでみる。すると赤ちゃんはこのきらきらした絵をきっと目で追うでしょう。よくわからなくても、そばにいるご両親のことばで、気持ちで、ぬくもりで伝わるでしょう。
ご両親は育児で忙しく、仕事、家事で追われています。日曜日夕方のポッと空いた時間、鳥のさえずりや風の音が何となく耳に入ってくるようなその時、何事も忘れてまっさらな気持ちで赤ちゃんと一緒にこの絵本に向き合うと、生きているってすごいんだな、美しい愛しいものがいっぱいあるんだな、みんながいるんだな、と『いい』気持ちを分かち合うことができるような気がします。