モーリス・センダックに捧げたというこの絵本、あえて意識したのか、人間の不条理な真相意識をとりあげたように思います。
ある日ライオンに変身したジムは、母親を呑み込んでしまいました。
そうしたらお腹がどん欲に欲求を始めたので、ライオンになったジムは、次々に人間を呑み込んでいくのです。
恐ろしい展開にドキドキしていたら、クマが襲ってきて両者はぶつかり合います。
その途端にジムは正気に戻るのです。
飲み込んだ人間がもとに戻されて、ジムは人間に戻り、普通の朝食を食べることができました。
センダックの「かいじゅうたちのいるところ」をオマージュしたような作品ではあります。
でも、ライオンとクマのぶつかり合いに、何か象徴性を感じてしまいました。
ライオンから連想する国、クマから連想できる国が頭に浮かんできてしまったのです。
どのように読みとるかは読者まかせでしょうか。