かものマラードさんとマラード奥さんは、安全に卵を埋める場所を求めて、ボストンの町まで飛んできました。公園の池に浮かぶ島を見つけ、「おあつらえむき」と気に入りますが…。
かもさん夫婦の産卵そして子育ての様子が、ほのぼのとかつユーモラスに描かれています。スワンボートに挨拶したり、視線を感じて得意げに歩いたり、奥さんがちょっとかかあ天下だったり、かもたちの様子に触れているだけで自然に頬がゆるんできます。8羽の子がもたちも皆可愛く、名前の響きが何ともいえません。ズームアップしたり鳥瞰図になったりと、場面に変化があり視覚的にも充分楽しめました。
古き良きボストンの町を舞台にした、かもさん一家の家族愛と、人間との温かな共存ぶりを描いた名作です。
挿絵がカラフルでなくてもこんなに絵本は楽しい!(カラフルなだけが絵本の良さではない)ということを見事に証明しています。