いろいろな意味で素晴らしい絵本でした。
どんどん開発されていく、もともとは手つかずの自然だった場所。
自然と共生してきた主人公の少年は、自分の心地よかった場所がすごい速さで変化していくことに、決して怒りを覚えたり、非難したりしているわけではありません。
開発を受け入れ、その中に身を置いてみて、それでも最終的には、自然と共生していくことが自分の素直な姿であることを悟るのです。
開発による自然破壊を声高に叫ぶわけではない姿勢が、かえって我々に問題提起してくるのです。
明確に誰かを悪者にしているわけではないので、読後感も良く、最後には自然の風の心地良さまで感じることが出来るような絵本でした。