秋田民話に描かれた赤神と黒神と、十和田湖の女神。
紋切り型の民話ではなく、女神の繊細な女心が描かれていることに感ずるものがありました。
女神を思う赤神と黒神の三角関係。
どちらにも惹かれる女心は、機織りにも集中できず、なんだかとても人間的。
どちらが女神を嫁にするか。
男神は闘いをいどみます。
周りで多くの神々がその様を見守り、どちらに味方するかなどと言う展開は、日本の戦国社会のようです。
赤神が破れ、黒神が勝ちました。
けれど、勝ったものが必ずしも女性の心を引き留めるのではないことは、当然と言えば当然。
あまり絵本のお話にこの展開は見かけないのですが、女神は敗れた赤神のもとについていきました。
黒神の寂しさが伝わってきました。
なんだか、とても人間的な民話でした。