おじいちゃんが少年にくりかえし伝えた言葉は「だいじょうぶだいじょうぶ」。
この絵本に繰り返される、おじいちゃんと少年のかかわりの中で、途中から出てきた「だいじょうぶだいじょうぶ」ではありますが、タイトルがすべてを語っていました。
少年は、嫌なこと、怖いこと、不安なこと、様々に自分に立ちふさがるものに対して、おじいちゃんの魔法の言葉に助けられて育ってきたのです。
誰にでも嫌なこと、怖いこと、不安なことがあります。
解決方法は、立ち向かうことではなく、すべてを受け入れること。
この安心感が素晴らしいのですね。
この絵本だけではなく、様々な絵本で語られている「だいじょうぶだいじょうぶ」。
おじいちゃんはさりげなく使えたけれど、お父さんには難しい言葉かも知れません。
私自身、決してプラスに
ならない言葉を繰り返してきました。
「がんばれがんばれ」「負けるな負けるな」「だめだだめだ」。
自分自身がこんな言葉をかけられて、そのために緊張し続けてきたのに。
自分自身も「だいじょうぶだいじょうぶ」と言われたかったな、と思い起こしています。
大きくなった少年は、今度は年老いたおじいちゃんを元気づけようとしています。
こんな子どもに育って欲しい。
親はみなそう思っているのだから…。
お父さんもお母さんも「だいじょうぶだいじょうぶ」。