猫が一匹、物思いに沈んでいます。
それは大好きなちっちゃなさかなちゃんが側にいないから。
絵本の中程まで、「好きなひとが近くにいない」寂しさや悲しさが切々と語られます。
そして後半は、好きなひとと共に暮らす楽しみやうれしさが語られます。
いタッチ、繊細な暖かい色彩がきれいな絵本です。
猫の、さかなを思う気持ちが本当にしみじみと伝わってきて「ああ、こんなこと感じるよね」「こんなことあるよね」と共感できます。
家族でも、友達でも「大好き」なひとを巡る感情は変わりません。
文章も詩的で、読んでいてリズムがあっていいですね。
小さいお子さんが読んでも楽しい絵本でしょうが、大人になっても宝物にできる本だと思います。
好きなひとの誕生日に贈りたい、そんな気持ちにさせてくれる絵本です。