このお話は、なかなか殻から出たがらず、
いつまでも卵でいたい、ひよこのお兄ちゃんのお話です。
弟はとっくに殻から出て、お兄ちゃんより大きなヒヨコです。
卵でいれば、いつでも お母さんに温めてもらえるからです。
卵だったら、みんなにイタズラしても怒られません。
たまごにいちゃんは、いつも卵が割れないように気を使っています。
でもある日、ブタの鼻の中に入った たまごにいちゃん、
ブタがくしゃみをしたので飛ばされてしまいます。
そのおかげで殻にヒビが入って、翌朝には割れてしまいます。
殻から出た姿を、お母さんも弟も褒めてくれます。
水たまりに映った自分の姿を見ると、
思ったよりカッコイイ自分がいました。
子供って、弟や妹が生まれる時に赤ちゃん返りして、
「いつまでも赤ちゃんみたいに甘えていたい」
「パパやママを赤ちゃんに取られちゃいそうで不安…」
「でも、弟(妹)が生まれるんだから、しっかりしなきゃ」
という複雑な気持ちと闘いながら成長していくものですが、
この、たまごにいちゃんは成長しきれなかったのですね〜♪
でも、その気持ちもとってもよく分かるし、
その姿もまた可愛いなあ…と思いながら読みました。
我が家の長女と次女は、サッサと卵の殻を脱いでしまったので
頼もしいけれど、親としては少し寂しいのが本音ですね。