とにかくラストが見事。
ぜひ絵本を広げてゆっくり眺めながら読んで欲しい作品です。
息子も、私が見たのと同じシーンで「うわぁ!」と小さく声をあげていて、やっぱそうよね!と背後でニヤリとしてしまいました。
さみしがり屋で泣き虫のこねずみさんは、お友達と思っていた動物や植物が冬支度のために今までのように会えなくなることを嘆きます。初めての四季を迎えながら出会う、1人1人のお友達は宝物。「自他の境目が分からなくなるぐらいの仲良し」という関係性は、子供時代にみんなが経験する全力のお友達ですよね。
こねずみさんにとっての1つ1つの出会いも別れも、涙なしには語れない大事件になって不思議はありません。なんでも泣いちゃうところがヨシヨシしてあげたくなる可愛さ。特にヤマネくんと抱き合うシーンは、息子も私もお気に入りの愛らしい一コマです。
美しい作品でした。お話自体も素敵なのですが、絵本である意味を強く感じた一作です。こんな風に人の心を動かせるんだなぁと思いました。おすすめです。