いもうようこさんの絵という事で惹かれ、購入しました。
紹介文の中に「無償の愛」という言葉がありました。
何の見返りもいらない ただひたすらな愛
我が子を育てる中で、私にも無償の愛が存在します。
けれど「無償の愛」の本質はとても深いと思いました。
「ひとりぼっちのばけものといしのうさぎ」でも私は無償の愛を感じ、その部分に心打たれましたが
この青おにさんの行動は、それとはちょっと違いました。
青おにさんは確かに大好きな友達赤おにさんの為に
一役かって悪者になり、結果赤おにさんは村人と友達になりました。
青おにさんのひたすらな優しさのおかげで、赤おにさんは人間の友達ができ、楽しく暮らします。
けれど、赤おにさんの心の中には決して消えない深い深い言いようの無い悲しみが生まれました。
それは心から楽しめなくなるように影を落とす。
心から笑えなくなるようなせつない記憶。
青おにさんは赤おにさんの前から消える事によって、赤おにさんの心に一生大きな存在として居続けるのです。
でも、青おにさんはそんな事を期待してやったわけではなく
本当に赤おにさんの役に立ちたくて無心でやったのだと思います。ただ結果、無償にはならなかったのでは・・・
「無償の愛」とは、相手に気付かれぬまま、我が心の中で始まり完結する・・・という事なのだと、読み終えて感じました。私は我が子を愛するあまり、時として犠牲的な「無償の愛」になってしまいます。それが子供にとっては必ずしも良い事とならないのだなと、そんな事を考えさせられました。
勿論、しみました。
でも題名通り、泣きました。
寂しくて泣きました。