たいていの子は、幼稚園や保育園で読んでもらったことがあるようですが、それでも楽しんで聞いてくれます。
怖いはずのお化けが、どうも子供っぽくて、かんたのほうがしっかりしているのが魅力。
小さな男の子が、異世界に行って異形の者たちと遊び彼らのリーダーになるというのは、「かいじゅうたちのいるところ」とかぶりますが、どこか恐ろしい気配のするあちらにくらべて、こちらは、本当に人間味あるお化けたちです。
でも、かんたを帰すまいと、なりふり構わないあたり、(そしてかんたが帰るキーワードが「おかあさん」のあたり)やはり異形なのだな、と、感じられるあたりが、とても好きです。
子どもたちも、何も考えていないようで、実はそのあたりを感じ取っているような気がします。
ラストの「きみならおもいだせるかな」のあと、もちろん子どもたちと唱えてみます。
「みんなでいったらおばけきちゃうかな。おばけきたらこわいからやめておこうか」と言うと、みんな、「やだ!言う!」と言います。全員で唱えた後、ちらちらあたりを見回す子どもたちがとても可愛いです。