100年以上前から伝わるアメリカのかご職人のお話。
息子が、父親の仕事を見て育ち、あこがれるも、心無い町の人たちから傷つけられる経験をしてしまいます。父の仕事を見る気にもなれなくなります。そんな時、おかあさんや職人さんが、山の木がわかってくれていること、風が教えてくれたこと、見ていてくれることを、話してもらいます。
与えられた自然の中で、生活を営み、技術を伝承してきた方々だからこそ、言えることであり、心に刻まれていくのだと思います。かごというのが、木の声をきき、風の歌を編んで、丈夫に作られていくという伝承にも、とってもこころが惹かれました。
子どもが再び自然に耳を傾け、おかあさんや、職人さんの話したことを受けとめようとするクライマックスは、情景が浮かび、涙が出ました。こんなふうに、人生の大事なことを、周りにいる大人や、自然から学べることができたらいいなと思います。