青年の独白で進むお話です。
ヴァイオリンを弾いていると現れる少年や、近所の人々。
父親からは、才能がないと厳しい手紙を受け取ったのでしょうか?
自信を失い絶望感を持つ青年には、少年や人々にも馬鹿にされているように思えるほど傷ついています。
厳しい父親なのでしょう。
白黒のモノトーンに孤独感やとがった精神状態が浮き出されます。
しかし、青年は気づきました。
少年は自分の音楽にあこがれを持っていることを。
人々は自分の奏でる曲を好いてくれていることを。
青年は父親から独立することを決意し、手紙を書きます。
自分は自分なのです。
あなたの尺度の中では生きていけない。
父親として、ちょっと悲しく思い話です。
ここまで冷徹に子どもを追い込む気持ちは持てないけれど、父親にしても子どもに抱いた期待を裏切られた思いなのでしょう。
子どもは自分の物ではない。
子どもには子どもの生き方がある。
私は、そのように思い直しましたよ。
バンサンの孤独、絶望の表現は、自己解放への願望と、少し自己肯定に自信が持てない彼女自身の独白なのでしょうか。
心がチクチクしました。