「しーん」としていた何にもない平地に、突然「もこ」と隆起が。「もこもこ」と大きくなって、「にょき」ときのこみたいなのも生えてきて。大きくなったら、「ぱく」と食べちゃった!そしてそして…。
「もこ」とか「ぱく」とか「ふんわふんわ」とか、そんな簡単なオノマトペ(擬音・擬態語)だけで書かれた本書。さすが詩人の谷川さん、と思わされます。元永さんの絵も素晴らしく、絵というかデザイン?と思うような簡単な絵なのですが、とてもインパクトがあります。そしてビビッドで、グラデーションのある色彩が子供の心を捉えるようです。
この本で元永さんのファンになった私は、その後、元永さん作・絵の『ころころ』という本も買ってしまいました。
2歳になった息子は、いつのまにかストーリーを覚えていて、ページを繰るより前に、次のページのセリフを言ってしまうくらいです。あるときは、木がたくさん植わったマンションの中庭を上から眺めながら「にょちにょち!」と言っていました(息子は「き」が上手に発音できなくて「ち」になります)。木がたくさん植わっていて、空に伸びている様子が「にょきにょき」だったのですね。子供の感性ってすごいなぁと思いました。また、当時は、この本をめっきり読まなくなっていた頃でしたが、それでもしっかり子供のイメージの中にインプットされていたことにも驚きました。