ライオンの子ブルブルは犬のムクムクに育てられます。たとえ本当の親子でなくても、そのまま平和に暮らす道もあったはず。なのに人間のエゴで引き離された上、最後は銃を向けられて・・・。人間の目から見ると、逃げ出したライオンは獰猛で怖いけれど、ブルブルとムクムクの立場から見ると、人間は何て残酷な生き物なんだろうか、と思わずにはいられません。ブルブルとムクムクの愛くるしい表情を見ていると、どっちが人間らしいんだろうとか、どうして人間は愚かなのだろうと、いろいろなことを考えてしまいます。
子供向けの絵本なのですが、読みきかせている親の自分の方が、いろんなことを考えさせられてしまいました。
子供たちはどこまで理解して読んだかは分かりませんが、この絵本ももう少し大きくなってからまた読ませたいなと思いました。
やなせさんの絵本はアンパンマンのイメージだけで手に取ると、よくも悪くもその大きなギャップに驚かされます。