図書館では、走ってはいけません。大きな声を出してはいけません。その他にも守らなければいけない決まりはたくさんあります。
けれど、その決まりを守りさえすれば、誰でも図書館に来て本を楽しんでもいいのです。
だから、例えライオンであっても、メリウェザー館長はライオンを図書館に迎え入れます。だって図書館に、「ライオンはダメ」なんて決まりはありませんからね。
ライオンは毎日やって来ては、フサフサの尻尾で掃除したり、手紙を出す手伝いをしたり大活躍。図書館になくてはならない存在になります。
ライオンにとっても、いつしか図書館は、単に本を楽しむだけの場所ではなくなっていました。決まりを破り大声でガォーっと吠えたのも、大好きなメリウェザー館長を助けるためでした。
そう、図書館は、ライオンにとって、ありのままの自分を受け入れてくれる大切な居場所だったのです。
普通、図書館にライオンみたいな猛獣は入れてはくれません。でも館長にとって、人間だとか猛獣だとかは関係ないのです。本が好きで、みんなが本を楽しめるように決まりを守りさえすれば、誰でも歓迎なのです。
この本を読んでいると心が温かくなるのは、きっと、この図書館に本当の意味での公平さと寛容さがあるから。ありのままの自分が受け入れらる場所が図書館なんて、素敵だなあ。