背表紙のちいさなうさぎが目に留まって、図書館で手に取りました。
家でゆっくりと読んで、涙が出ました。
どうして泣いてしまったのだろう。よくわからないけれど。
酒井駒子さんのあたたかく、せつない絵。
そして、「子どもべやにはときどきまほうがおこるものなのだ」というウマのおもちゃの言葉。
そしてラストシーン、ぼうやとうさぎは遠くからみつめあう。もう一緒に遊ぶことはない。
でもお互いに、お互いのことをちゃんと憶えている。たいせつなともだちとして。
それは、幸福な子ども時代の先の「幸福な未来」です。
なぜかこんなにもせつない。
静かな余韻が、何度も絵本を開かせてくれます。