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大きな大きな船」 ジュンイチさんの声

大きな大きな船 作・絵:長谷川 集平
出版社:ポプラ社
税込価格:\1,320
発行日:2009年08月
ISBN:9784591110812
評価スコア 4.36
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みんなの声 総数 13
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  • 父と子の関係を考えるに最適

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 広島県
    • 男の子12歳、男の子6歳

    長谷川集平さんと言えば、「はせがわくん きらいや」で1976年に鮮烈デビューを飾ったことで知られています。

    この作品は、2009年の作品ですが、絵の感じがかなり異なります。
    以前の強烈な印象がないのですが、今回の絵は青・赤・黄の三色の水彩絵具で描いたからのようです。
    この作風が、今回の話の内容には実に合っている気がしました。

    物語は、
    「父さん、ぼく父さんに母さん役までやってほしいと思わないよ。
    父さんは父さんをやっててくれたらいい。
    ・・…うまく言えないけどさ」
    というぼくの言葉で始まります。
    理由は分からないのですが、父子家庭になったという設定です。
    大人のぼくの発言に戸惑う父。
    父は、海外勤務が多く、母子で日本にいたようで、そんな昔話をするのですが、父に比べぼくの発言が的を得ており、正直、身につまされる話が展開します。

    父と子、特に男の子との会話は、微妙に難しい側面があります。
    そんな雰囲気を、長谷川さんが実に巧妙に描いており、多くのパパは惹き込まれてしまうのではないでしょうか?

    最後に船を見に行くという父の提案に賛成するぼく。
    ぼくが見たとてつもなく大きな船の幻影は、時代という船の暗示なのか?
    父とぼくのこれからの船出の暗示なのか?
    色んな捉え方があると思いますが、とても余韻に浸ることのできるエンディングだと思いました。

    大人向け、しかも、パパ向けの絵本です。
    是非、多くのパパに読んでいただいて、息子との対話を深めて欲しいものだと思います。

    投稿日:2011/08/30

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