生きていれば「もしもあれがうまくいっていたら」「もしもあちらをえらんでいたら」「もしもあのひとがそばにいたら」…そんなふうに思ってしまう日は誰しもあるものですよね。
ヨシタケシンスケさんの絵本なので子ども向けと思って手に取りましたが、この絵本は、挫折や悲しい別れ、つらい後悔を抱えている、またはその思いを胸に抱え続けて生きている、大人向けの絵本なのだと思います。
もしものせかいがおおきくなるかわりに、いつものせかいはすごくちいさくなってしまう。でもそのうちまたふくらんでくる。それはとても納得できる表現でした。今を精一杯生きよう!と背中を押すのではなくて、その「もしも」を認めながら生きていていいんだよ、と優しく肯定してくれます。
この先、娘たちが大きな壁にぶつかってしまう時が来たら、そっとこの絵本を渡したいと思いました。