教育画劇の「行事の由来絵本」というシリーズの1冊です。
物語は幼稚園か保育園くらいのあきらくんが、「こいのぼり」の歌に疑問を持つところから始まっているので、この主人この子と同じくらいの年頃の子どもたちには理解しやすいストーリー展開である気がします。
読んでいて思わず笑ってしまったのは、あきらくんのお兄ちゃんが歌ったこいのぼりの歌です。
「やねよりひくいこいのぼり〜
ちいさい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは あかあさん
いそがしそおに およいでる」
成程な〜と思いました。確かに団地やマンションの窓に掲げられている「こいのぼりは小さくて、屋根より低い」ですもんね。
風刺的な歌に納得してしまいました。
この絵本が書かれたのは2001年になっています。10年ちょっと経った今では、小さなこいのぼりどころか、こいのぼり自体この時期に見かけることが少ないです。
我が家の近くで見るのは大きな農家の庭に掲げられるこいのぼりくらいで、あとはこいのぼり大会などをしているテレビ中継くらいです。
日本に長く伝わる行事が少しずつ廃れていくのは、ひとりの日本人として寂しく残念に思います。
絵本のはなしとは別に、後書きに書かれている『端午の節句』についての解説はとても分かりやすく勉強になりました。
この行事が元々女性の節句だったとは意外です。
機会があったら子どもたちに紹介したい1冊です。