どい かやさんの新作です。今までの絵本と比べてサイズが大きいので、どい かやさんの絵が大好きな人には特にお勧めです。素敵な絵を、画集を眺めるように堪能することができます。
私も書店で見かけて、欲しく欲しくててたまらなくなり、即決で購入しました。この絵本はいつも目に見えるところにおいて、時々手にとって眺めていたい絵本です。
お話は山の途中の一軒家の小さな庭に住む猫、ハーニャとその周りの生き物や自然の移り変わりを、美しく静かに描き出していきます。1月、2月、3月‥‥と月ごとに徐々に変化していく庭の様子が見事です。自然の恵みの中で、自然に育まれながら私達も暮らしているのだ、という忘れがちなことを思い出させてくれる絵本でした。
以前、絵本雑誌でどい かやさんのアトリエを紹介されていたのですが、まさにこの絵本の中で描かれているような暮らしぶりを実践されていたのを憶えています。
「自分の庭だと思っていたその場所は、ほんとうは、とっくに、もうずっと前から、誰かの住まいで、誰かの通り道でした。」
見返しに記された作者からのメッセージから、私達は自然の中で生かされているのだ、ということを、あらためて強く感じました。