大好きなパンをいつもみんなに分け与えていたら、最後はみんながお返ししてくれた(もしくは直接返してもらえなくても、他の人から親切にされる)ということが言いたい本だというのは理解できますけれども、この本の少年は、親切なんじゃなくって、ただの間抜にしか見えません。
空腹で倒れそうな登場人物に分けてやるのはまだしも、小狡い登場人物にまで毎回アッサリ持って行かれるんですよ。何故毎回毎回木に実ったパンを根こそぎ全部渡してしまうのでしょうか…。(渡してしまうというより、あっけにとられている間に持っていかれるという場合もあるんですが)それも合計5回も。
ふざけたネズミの親子に持っていかれた時には、読み聞かせているこちらのイライラも最高潮。
どう見てもパンタは優しい子というより、要領の悪い子。
子供に親切や思いやりを教えてやることは親の務めですが、世の中に生きて行くのに要領というものも教えてやるのもまた親の務め。
ラストのまとめ方も無理やり感が強く、なんだこりゃ…という絵本でした。
主題自体はいいと思うんですが。
パンの種を蒔いたら木にパンが実るっていう発想も面白いと思います。
我が家の3歳児には楽しかったようで、喜んでいます。