うちの近所で見かけるのは、すべて爪を切られた飼い猫ばかり。「おいら」のような、自由気ままな野良猫ライフを覗いてみるのは、娘にとってもエキサイティングなことに映るようです。お話の内容はもちろんのこと、裏表紙に描かれた登場人物の顔と名前、それに「おいら」のお散歩地図を見るのも、娘の楽しみです。それぞれの猫の名前もすぐに覚え、裏表紙で確認しては、また本文に戻って、という読み方をしています。中でも、「こらおじさん」と、けんか好きのジャンゴがお気に入りの娘は、「怖いもの見たさ」のような感覚で、このちょっとこわいキャラクターの2人(1人+1匹)の登場シーンを楽しんでいるようです。そして、「きんぎょさんに、こんにちはって言いたかっただけなのに、なんで こらっておこられちゃったの?」とか、「どうして、ジャンゴは、けんかがすきなの? だれかが くるのを いつもまってるの? じゃあ、もし おいらが、ひこうきにのって、おそらににげちゃったら? またほかのねこが こないかなあ、ってまってるの?」などと、ストーリーを広げながら、繰り返し読んでいます。