父親は看板や。
父親の仕事ぶりを目にしながら育ち、父親の書いた看板に囲まれた街に育った少年は、父親の仕事を継ごうと思っている。
純粋な少年の心と、人情味のある町がとても気持ち良い。
父親の働きぶりを絵にかいたり、看板のない自分の店に「かんばんや」の看板を作ったり、酔いつぶれた自分を飲み屋に迎えに来てくれたり、これだけ息子に慕われたら父親も幸せだろう。
昔ながらの町にマンションが建つ。
そこにはかんばんはいらないだろうと父親は言った。
時代は変わっていく。
この少年もいつまでもお父ちゃんっこではないだろう。
しかし、親子三代のかんばんやがきっとあるような気がする。
父親が自分の仕事を子どもに見せられて、子どもが父親の仕事に誇りをもてること。
これが、なにより素晴らしいことだと思いました。