「おんちょろきょう」の「きょう」はお経の意味です。お寺の小僧さんがおばあさんに教えた、口からでまかせのお経が、お話の後半で思いもよらない「効果」を発揮します。その意外な展開が面白いお話です。
4年生の娘のクラスで読み聞かせをしました。「お経を読む」という行為に普段接することのほとんどない今の子どもたちに、お経を読む場面が続く、このお話がわかってもらえるかな〜と思いましたが、「おんちょろちょろ、…」と繰り返されるお経の言葉のおもしろさや、“あっとびっくり”な話の展開はちゃんとわかってもらえたようで、みんな楽しそうに聞いてくれました。
なんと言っても語り継がれた民話の良さ、梶山俊夫さんのいかにも民話調のちからのある絵が、この絵本の一番の魅力だと思います。