あるところに大きなお山がありました。
夜には、星の女神、カグヤヒメが、昼には、火の御子の母、コノハナサクヤヒメが空で舞っていました。
美しいものに守られ、大切にする気持ちが描かれていました。いつまでも大切にするものは、ずっと変わらないことを、作者の晩年の気持ちとして、多くの人々に伝えたかったような気がします。
世界中の子どもたちのことを思い、多くの絵本を世に送り出した渡辺さんも、亡き人になってしまいました。今頃は、まるで、桃源郷を思わせる、この絵本の幻想的で不思議な世界で、わたしたちのことをきっと見守ってくださっていることでしょう。