まだ子どもの頃、この絵本と「てぶくろを買いに」とを見て、なんて美しいんだろうと、うっとりと見ていたのを思い出します。
中高生の頃にも、独身時代にも書店で何度も手に取った絵本です。
子どもが生まれてからも、この悲しい結末を理解できるようになるまではと、読めずにいました。
娘が5歳になり、読んでみたところ、お話の内容は理解できたようです。
ただ悲しいだけではなく、とてつもない切なさとともに、「人生には取り返しのつかないこともある」「どうしようもないことがある」ということを教えられます。
私が小学生のころは、このお話のラストが辛すぎて、読むたびに落ち込んで、救いようのない気持ちになりました。
それでも強く心に残る絵本です。
大人になって読むと、いっそう切なくなりますが、それでもこの物語を大切に子どもたちに伝えていきたいと思います。
年長の娘には、話の内容は理解できても、兵十やごんの気持ちを想像するのは難しいでしょう。
もう少し大きくなったら、また読んで、一緒にいろいろな思いを感じていけたらと思います。