素晴らしい本です。涙が止まりませんでした。
子を思う親の気持ち、親を慕う子の気持ち、そして親子の愛情に訪れる奇跡が描かれています。
切なくて、切なくて涙が止まりませんでしたが、読み終わった後、心が温かくなりました。
絵のタッチもほんわかしていて、優しい気持ちになれました。
「ぼうやがうれしいと、かあさんはいつもうれしいの」
そうですよね。子供が嬉しいと、親は嬉しいものです。
それだけに、そんな可愛い子供を助けてあげられない無力さ…、親にとって、これほど辛いものはありません。
泣き続けるお母さんぎつねの気持ちが伝わり、涙が止まりませんでした。
ぼうやを亡くしたお母さんぎつねは、電話ボックスへやってくる男の子をみつけます。
その男の子に亡くなった坊やを重ねてしまうお母さんぎつね。
男の子は遠くの町で入院している母親と話がしたくて、毎日電話をしに、電話ボックスにやってくるのです。
ある日、電話ボックスが故障してしまいます。お母さんとの電話を楽しみにしている男の子が悲しむと思いやったお母さんぎつねに奇跡が起こります。
そして、そんなお母さんぎつねのために、壊れたはずの電話ボックスにも奇跡が…。
子供を亡くした悲しみは簡単に癒えるものではないと思います。でも、泣いていてばかりいても、亡くなってしまったという事実を変えることはできません。
そういった時、もうひとつの事実に目を向けてみませんか…と、この本は教えてくれます。
子供が沢山プレゼントしてくれた楽しい思い出、温かな気持ち、そして抱きしめた時のぬくもりを…。
最後に電話ボックスにともった灯りは、優しい余韻を残してくれました。
何度でも読みたい本です。そして、多くのお母さんに読んで頂きたい本です。