「なぜ」にまつわる3つの昔話を収めた作品。
初版が1954年ですが、石井桃子さんの再話、初山滋さんの絵ということで、
クオリティの高さを感じます。
・おそばのくきはなぜあかい
大きな川のそばで、お蕎麦と麦がおじいさんに出会うのですね。
親切にしたお蕎麦と、不親切だった麦の行く末に、納得です。
冷たい川で真っ赤になった足元、というのが、リアルです。
・おししのくびはなぜあかい
天竺(インド)のおさるが、遊び相手がいなくて、お獅子と遊んだ時のエピソードですね。
お獅子の大きな声の迫力がすごいです。
おさるらしい機転が面白いです。
真っ赤になってうなるお獅子の様子が目に浮かびます。
同時に、首だけになった理由、風呂敷が付随する理由、うーん、納得です。
獅子舞の由来ですね。
・うみのみずはなぜからい
塩を出し続ける臼というお話は、どこかで聞いたようですが、
そこまでのくだりが、込み入っていますが、面白いです。
昔話ですが、意外に絵が斬新で、びっくりです。