子供の気持ちに向き合わない大人、つまり先生の対応が気になってしまって、作品の魅力を感じなかった。
まず、子供に相談せず勝手に先生が役を決めてしまうこと、なぜ、その配役になったのか説明しないこと、練習中に役柄に不満があると表明しても(カイくんはいろいろな所で意思表示していたのに)しなくてもテキトーにあしらって取り合わない態度が、子供を雑に扱う大人を象徴しているようで嫌でした。
これだけだんまりを決め込んで意思表明している子供に、フォローするどころか、そのちぐはぐなセリフって…と。
しかも、配役の理由がこれって、完全に大人側の都合。
「自分の気持ちを言葉にして、ちゃんと人に伝えよう」という趣旨なのでしょうか。
人に気持ちを伝える表現って、一つじゃないのになー。
一緒に読んでいた子供も結末を知っても、「オオカミが嫌な気持ちに変わりはないじゃん」と言っていました。