絵が描ける人が羨ましい。
上手い下手はあるだろうし、もちろん巧く描けたらもっといいが、いずれにしても白いキャンパスに向かって絵を描ける人は、いい。
加藤休ミさんの絵を初めて見た時、「え!? これ、絵?」と呆然としてしまったことを思い出す。
それは焼き魚を描いたものだったが、写真かと間違うほどで、しかもそれがクレヨン画だと知って、さらに驚いた。
絵筆でさえ描けないのに、どうしてクレヨンでここまで描けるのか。
それ以来、私の中で加藤休ミ尊敬度は薄まらない。
今回は「うどん」。
表紙の「きつねうどん」のうまそうなことといったらない。
どんぶりに触れている出汁の色合い、あげのしわ、ネギと出汁のからまり具合、そして何よりもうどん。出汁の中に沈んでいる様子、うどんとうどんのからみあい、もういうことはない。
あとは食べるだけ。
待って、まって!
この絵本は、「ふしぎなたね」シリーズの一冊で、こんなにおいしいうどんの作り方を描いたもの。
まずはうどん粉をこねるところから順に見ていきましょう。
一つ心配なのは、こんなにおいしそうに描かれているから、小さい子供たちは絵本を食べてしまわないかということ。
何しろこの絵本は3才から5才の子供向けの幼児絵本。
絵本を食べなくても、「うどん食べたーい」とせがまれることを覚悟の上、お読みください。
うどんを作れる人も羨ましい。