この作品の前に、「赤んぼ大将」シリーズは2つあり、その後25年を経てできた作品だそうです。私も前の2作品は読んだことがありましたが内容を忘れていたので、この本に描かれている説明で復習しながら読みました。
赤んぼ大将と呼ばれるタッチュンは、動物ことばと機械ことばを理解できるスーパー赤ちゃんで、前作2つでもその能力を生かして難題を解決します。
25年後、また難題がありますが、それを解決する赤ちゃんが見つからず、タッチュンを探すことになります。当然タッチュンは大人になっていますから、それがどうやって赤ちゃんに戻ったかは読んでみてのお楽しみです。
普通の赤ちゃんは親の庇護の元何もできませんが、この赤ちゃんはスーパー赤ちゃんなので、大人にもできないことを解決する点が面白いです。
もし、寝ているだけの赤ちゃんが、大人の知らないところで、動物や時計とお話をしていたら、もし赤ちゃんが空を飛べたらと、読んだ後つい想像してしまいます。
幼年童話ですが、作者があとがきで書いているように、SF的要素があり、文章は子ども向けに平易ですが、大人でも充分読み応えがあります。子どもの頃、佐藤さとるのファンだった方で、「赤んぼ大将さようなら」を読まれていない方はぜひ読んでみてください。