最初見たとき、黒の輪郭が濃いのが印象に残りました。ふくちのぶおの「おつむてんてん」のレビューを読んでいたら版画だと書いてあり、それで黒が濃いのだと納得しました。
「こどものとも 012」2007年6月号です。あひるがよちよち歩いているのが、歩きたての赤ちゃんと重なります。あひるは初めてのお散歩に出かけたのかな?うさぎに追い越され、ねこに追い越されます。
「まって まって」と追いかける姿が、お兄ちゃんやお姉ちゃんを必死で追いかける幼い子どもを連想させてとてもかわいいのです。きっと小さな子どもはあひるに自分の姿を重ね合わせて感情移入することでしょう。
追いかけっこは、待っていてくれる人がいてくれるから楽しいのだとこの絵本を見て思いました。息子は最後にみんなで水遊びをしているところが気に入ったようです。
赤ちゃんは「まってまって」の繰り返しと、次々に出てくる動物を「これはうさぎさんね」と名前を覚えながら読んで、少し大きな子は絵の方を見て想像をふくらませるのに適した本だと思います。