琵琶湖近くに住む小学生のお話です。琵琶湖で漁業をしているようへいの一家の暮らしぶりがよくわかる本です。
飯野和好もインパクトのある絵で、琵琶湖の漁の様子を描いています。漁業は天候に左右されるので、ようへいの一家は琵琶湖のことをよく観察しています。
ようへいの祖母が話す昔話、弁天様が琵琶湖の魚を集めてうたげをもよおすというのは幻想的な気分がしました。
ようへいたちが文化祭りで、大漁太鼓を力強く叩くのですが、琵琶湖の魚たちまで音が届くようにと演奏するのが、絵から音が本当に響いてくるかのような迫力を感じました。
この絵本は沖島小学校での取材を通して書かれたようですが、ようへいが琵琶湖を愛し、魚に愛着を感じ、祖父や父を誇りに思っている様子が伝わってきました。
地味ですが、地に足のついた作品で好感が持てました。