あこがれの世界に一歩踏み出すポルパの心の動き、目標を達成するポルパのけなげな努力に励まされます。
エベレスト登山への手はずは、写真家で登山家でもある作者の石川直樹さんならでは。縦見開きいっぱいに描かれたエベレストへの詳細なルートは子どもと一緒に大人も指でたどって楽しめます。
そしてコロナ禍で旅をするのが難しい今、梨木羊さんの細やかな優しい絵が、エベレスト街道を彷彿させてくれます。
シェルパの活動は地味ですが、その丁寧な仕事ぶりは子育て中のパパママの役割に似ているなと思いました。子育ても山登りも、いきなり頂上へはたどり着けません。一歩一歩、一日一日の積み重ねがいつか必ずくる子どもの成長につながります。パパママへのエールにもなる絵本です。