この絵本、私が子どものとき、幼稚園の月刊絵本で配布されたものです。
当時、大のお気に入り絵本でした。
妹のゆきこが持っているスヌーピーらしき犬のぬいぐるみ、あれと同じようなものを当時の私は持っていて、だからその場面が嬉しかった。
今にして思うと、作者が谷川俊太郎さんなので、谷川さんがスヌーピーのコミックを訳されているので、お遊びなのか敬意なのかで、人形が登場しているのかも?と思います。深読み?
虫が苦手な私が、穴の中で虫がトンネルを掘って出て来るのも楽しかった。
でも、当時の記憶を呼び起こし、何が好きなのか、何が面白いのかときかれれば、答えるのは難しい。好きだから好き。面白いから面白い、ただそれだけ。
あえていえば、意味も無く穴を掘るのが羨ましかったかな。
大人になって読んでみると、やっぱり面白い本だなと思う。
そして、やっぱり、どこが面白いのかを説明するのは難しいです。
ただ、哲学的だなぁ、と感じるのです。どこがどうと聞かれても困りますが。
娘は、この本が好きみたいですが、まだ分かりにくいみたいです。
最後にひろしが穴を埋めるところで、「なんでうめるん?」ときかれて、ついつい「ろくべえが落ちたら大変でしょ」と答えてしまいます。我が家ではいつの間にか、この本と「ろくべえまっていろよ」がセットになってしまっています。
いや、実際、穴をそのままにしていたら危ないし、埋めなきゃいけないけど、ひろしが穴を埋めたのは、「ぼくのあな」だからなんですよね。その辺りが哲学的というか、娘に説明するのが難しい。
ろくべえが落ちたら大変なんて、そんな答え方、本当はだめなんでしょうね。
この本は、私の思い入れがとても強いこともあって、何歳のお子さんに読んだ感想かは、今の娘の年齢でなく、当時読んだ私の年齢にしました。