のどかな毎日を送り、自分の椅子を持っていた一人の少女が、戦争に巻き込まれました。
悪いことを何もしていないはずの少女は、一瞬で家族を失い家を失い、のどかな毎日や自分の椅子を失いました。
全てを失った少女は、戦争から逃げ続けるしかありません。
何もしていないはずの少女は、のどかな生活をしている人々のところへ行けばその人々からも拒まれました。
学校ならと行けば、
「あなたの場所はありません。いすがないのです」
と、拒まれました。
戦争が追いかけてきているのです。
その時の少女の心にあるのは、絶望。
希望なんて、見い出しようもありません。
けれどある日、一人の少年が椅子を抱えて現れました。
少年は、のどかな生活をしている少年で、学校で拒まれる少女を見ていた少年でした。
椅子を抱えた少年は、言いました。
「もってきたよ。これで学校にかよえるから」
戦争は、絶望を従えてやってきます。
手を差し伸べてくれる人や組織は確かに存在して、そのおかげで少女は希望を見つけたけれど、それでもやっぱり、戦争は理不尽だと思います。
この世から、戦争がなくなりますように。