ツトムとひなこの夏の物語。
ぼくとお母さん、ひなことひなこのお母さんは、ぼくのいる田舎で2日間を過ごした。ぼくとひなこは同い年。でも同い年だからって気が合うとは限らない。
ところが一緒に山に登り、まるで鳥のような大きな大きなオニヤンマをみつけて、二人は興奮する。
まるでぼくたちと遊んでくれたようなオニヤンマ…。
ひなことの別れ際、お互いの胸の中に灯るこの気持ちは何だろう。
夏・友達・思い出…子どもが成長していく上で出会う素晴らしいものが力強く描かれていて素晴らしい。
人と人とのふれあいの場が「夏の田舎」というシチュエーションはありがちで「またかよ」と思ってしまったが、田舎じゃなくても、夏じゃなくても人との出会い・別れ・思い出は心に沁みる。
読んでいくといつの間にか人との出会いと別れを通して成長したツトムの顔がはっきり見えたようで、力強い印象を受けた。