八百屋で出会った人参と、ごぼうは、義理の兄妹になって、共にきんぴらになる旅に出る話。
2020年刊行。巻末にきんぴらの由来や栄養の説明付き。
昭和の浪曲の香りがするお話。苦労に苦労を重ねる旅暮らし。
そんなに深刻なテーマではないのだが、ごぼうとにんじんにとっては、どんなお料理にされるかは、人生の結末だから大変だ。必死のアピールと、捨て身の行動で、大冒険。
流しのギタリストとか、旅芸人とか、そいういう世界。
きんびらとは縁もゆかりもない人のもとへ行ってしまうのが面白い。最後はあっさり決まって、良かったと思うけど、もうこれっきり兄妹の姿も見られないと思うと寂しい。
食べることは、命を頂いているのだなあと思った一冊。