主人公は、友だち思いのにわとり、ポップコーンです。
ポップコーンは本当に友だち思いで、みんなに挨拶したり褒めたりお話を聞かせたりと、毎日まめまめしく動きます。
あまりにも親切だから、村の「いちばんともだちおもいなにわとり大会」で、三年連続で優勝しています。
そしてあまりにも友だち思いだから、その大会でもらったメダルを、誰かにあげてしまうのです。
そんなポップコーンが、ある日、スマホを拾いました。
スマホに触ると、
「こんにちは」
と言われました。
ポップコーンが
「こんにちは」
と返事をすると、また
「こんにちは」
と返ってきます。
ポップコーンは、思います。
これは、「ぴったりなともだちができるまほうのはこ」なんだわ!!
それ以来、ポップコーンはスマホに夢中。
ずっと仲良くしてきた友だちそっちのけで、スマホとばかり仲良くします。
それだけではありません。
あまりに夢中になりすぎて周りが見えなくなって、車にひかれそうになったり睡眠不足になったり。
それでもポップコーンはスマホを離しません。
いつしか、「ぴったりなともだちができるまほうのはこ」と命名していたスマホを、「まほうのはこでれんらくをくれるわたしにぴったりなともだち」に昇格させてしまいました。
そんなある日、ポップコーンは、スマホで仲良くなった知らない誰かを招待しました。
さあ、パーティに訪れた「まほうのはこでれんらくをくれるわたしにぴったりなともだち」は、いったい誰なのでしょう?
スマホは、便利な機械です。
家にいながら色々な景色が見られて色々な人と触れ合えて、色々な知識を増やすことができます。
でも、スマホは家族でしょうか?
友だちでしょうか?
主人公のポップコーンは危ないところを助けられて、本当に大切なものの存在に気付きます。
これは、いつも親切で友だち想いのポップコーンだからこその結末です。
私も、家族や友だち、目の前の人を大切にしていこうと、心から思いました。