主人公がホットケーキが食べたいからとか、
洋服が欲しいなんて、何もないところから
作る絵本があります。
このもぐらくんの絵本もそうでした。
ですが、もぐらくんが恋い焦がれて作ったズボンは
糸になる植物の世話をする以外は全て仲間の好意に
よるものです。(その花だって糸になってくれます)
「かわりにこれやって」が無いのです。
みんな、あっさりと快く引き受けてくれるのです。
その仲間の笑顔といさぎよさの素敵なこと。
そして素敵に仕上がった布をたっぷり褒めてくれます。
読んでいる私達の方が温かい気持ちにさせられたのですから
もぐらくんの感謝の気持ちはひとしおでしょう。
往年のアニメーションを見ているような素朴な
絵と可愛らしさで今にもみんな動き出しそうです。