ニアとアルフィーは偶然に出会って、すぐにお互いのことが好きになって友だちになります。ニアは、アルフィーと心を通わせようと、しばらくの間あれこれやってみますが、アルフィーはいつも無反応。だってアルフィーは「カメ」なんですもの……。
そんなある日、アルフィーは家出をします。
アルフィーの、ニアへの思いは私たちの胸を温かくします。
ダンスをしたり、笑ってたことを知って、ホロリときます。
危ない目にあったときは、本気ではらはらします。
今年の夏の終わりに、4歳の孫が、歩道の上で、飛べなくなって困っている(?)カブトムシを見つけて、「カブちゃん」と名づけて家で大切に育てていましたが、数日後、彼女が幼稚園に行っている間に、カブちゃんは静かに天国に召されていきました。帰宅した孫は悲しみをこらえながらも、ママといっしょにお墓をつくって、カブちゃんに「今までありがとう」って、しっかりと言えたそうです。
他者の心を想像すること、思いやることは、誰かと私たちとの物語をつくるということです。この絵本「アルフィー」は、子どもたちの心に物語をつくることの大切さを教えてくれる、すぐれた一冊だと思います。
それにしても、カメのアルフィーの冒険のおしまいに「あっ!」というオチがあるのには、思わずニマッと笑ってしまいました。