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大きい1年生と小さな2年生」 伴門陶汰さんの声

大きい1年生と小さな2年生 作:古田 足日
絵:中山 正美
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,320
発行日:1970年03月
ISBN:9784035110101
評価スコア 4.86
評価ランキング 72
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  • 心の支え

    大きい一年生のまさやは、この春小学校にあがる息子と、容姿や性格も似ているように感じて、引き込まれるように読みました。
    背丈は三年生ほど大きいわりに気は小さく、いつも二年生のあきよに守られています。ある時お母さんと言い争いをして、家を飛び出してしまいます。遠く離れたおじいちゃんの家へバスで行こうしたのは、息子と比較してしまって正直驚きましたが、移り気な一年生らしく、目的はあきよが好きな花を見つけに行くことに変わるのですが、これが一年生の足では途方もない大冒険になるわけです。
    まさやのちゃっかりした面が顔を出したり、やはり挫けそうになる弱さに潰されそうになったり、でも最後は、あきよを喜ばせたいという強い気持ちが足を進めさせました。この旅で見違えるほど強く成長したまさやは、通学路の道が怖いと泣いていた自分に「何であんなことが怖かったんだろう」と振り返ることができたり、「よく、ひとりでこれたわねぇ」と褒めるあきよに「あきよちゃんがいなけりゃ、こられなかった」と心の内を打ち明けるのを聞いて、遠い昔に味わった淡い気持ちが蘇ってくるようでした。
    あきよの好きな花を腕いっぱいに抱えたまさやの顔は、もう弱虫の影は微塵もなく、自信に満ち溢れていました。
    まさやが歩いた長い道のりを想うと、僕が小学生の時友達のお父さんが言っていたことを思い出しました。
    「目と耳と口があれば、どこにでも行ける。」
    あの言葉は、迷ったり不安な時、後ろから押してくれるような心の支えになっていたように思い出されました。
    もうすぐ小学生になる息子も、まさやのように成長して欲しいと切に願います。

    投稿日:2010/03/19

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