単純に考えれば面白おかしいお話ですが、語り口調の飄々としたところがこの絵本の味です。
狂言は独特な言い回しで、理解するのには少し敷居が高いように思えていたのですが、この絵本は狂言への親しみを作ってくれているように思いました。
太郎冠者と殿さまの掛け合いが、単純な繰り返しで子どもたちにウケました。
咳をすると暴れ出し、「しずまりたまえ、しどうほうがく」と唱えると静かになるという馬。
「しどうほうがく」という言葉が妙に神秘的に響くようで、子どもの心をつかむのに響きある小道具になっています。
最後、太郎冠者は殿さまの背中に馬乗りになってしまうので、お笑いコントのようでもありますが、ドタバタにならないお話のまったり感がなんとも心地よいのです。
小学生の昼読みで結構ウケて、拍手をもらいました。
絵も大きくて見やすいので、大勢の前の読み聞かせにお薦めです。