中東・アジアへの訪問で体験したことをベースに描かれる
小林豊さんの作品群。
何度か借りてきたことがあったせいか、
私がこの絵本を読んでいると、うちの次男が「戦争の話?」と聞いてきました。
表紙の絵でピン!ときたそうです。
いやはや、君の野生の勘はすごいね。
そう、黒海地方での見聞が基になったおはなしです。
『ぼくは弟とあるいた』で、疎開のためおじいちゃんの家をめざした兄弟。
無事におじいちゃんの家に落ち着いたその後が描かれます。
そのおじいちゃんとの生活も、おじいちゃんの死で終わり、
二人は再び、自力で生きていかなくてはいけません。
途切れがちな両親との通信の中で、停戦したら迎えに行く、
との言葉を信じて。
一生懸命に「生きる」兄弟の姿が健気です。
もちろん、同様の子ども達の姿も描かれます。
どうしてもあげられないけど、気にかけてくれる大人の姿がありがたいです。
「停戦」の言葉が象徴的です。
私ですら実感できないからこそ、我が子達には折に触れ、
このような現実を知ってほしいですね。