梅干や梅酒、盆栽などでもお馴染みの「梅」。
原産地、種類、日本に入ってきた経緯、利用法、栽培法を紹介した実用書てきな絵本。梅の木を育てて、手入れし、花や実を楽しめるように、巻末には詳しい解説も。
万葉集の時代にも愛されていたことから、日本にずっとある植物だと思っていたが、原産国は中国らしい!ヒマラヤ山脈のあたりでも、梅の仲間のアンズがあるとか、梅干でお馴染みの梅とすもも、あんずが親戚関係だとか、案外、身近にある植物はしらないことだらけだった。
昔の漫画で、おばさん〜おばあさんのこめかみに絆創膏がはってある場面があったが、あれは「頭や歯が痛い時に、梅干を張っていた」という。民間療法だったのか。よく知らなかったことが、次々分かって面白い。
農家の出身なので、庭先で梅の木を育てて、実を取って梅干にしていた。今は都会暮らしで、5月ぐらいにお店に並ぶ梅を買ってきて、小さなベランダでやはり梅干を作っている。市販品は、化学調味料や砂糖などの甘味料が入っていてあまり好きになれない味なので、昔風の酸っぱくてしょっぱい、常温で長期保存ができる梅干を作って楽しんでいる。
食用の梅も好きだが、最近は、盆栽や庭木などの花を楽しむ梅のよさも分かってきた。だんだん年齢を重ねて、わかってくるものが増えてうれしい。
この本は主に梅の栽培法を主体としているが、梅に限らず、植物の手入れは大変繊細な作業が多く、性質をよく知っていないと上手くいかないことが分かってよかった。
植物を見る目が変わる。