2004年刊行。玄そば、または殻をとったそば米を粉にひき、生地を作り、のして切って、ゆでて食べるところまで。手作りの方法、要点を開設した絵本。そばの歴史や種類などもわかる。
同社発行のそばの絵本は2つあり、こちらは「そば打ち」が中心。
「そだてて遊ぼう」シリーズのソバの絵本は、そばの栽培が中心。
2冊を通して読むと、種からそばを育てて収穫し、そば粉や麺に加工して食べる一連の流れがわかる。
実に手間がかかる「手打ちそば」。今は、乾麺がその辺で、年中、手ごろな価格で購入できる。うちでそばを食べるのも、ゆでてある麺もあるし、インスタント食品もある。出前もある。食べたいときにすぐに食べられるそば、という印象だったが、昔はそうではなかった。
手間暇かかるご馳走。
日常生活が忙しいから、食事に手間暇かけられない。だから特別な時や、農業などが暇な時に麺を打って食べたという。
普段はそばがき。お湯を入れて練って、すぐ食べられる。昔のファーストフード。祖母が好きだった。私はその良さがわからなかったが、祖母の世代では、慣れ親しんだ味だったのだろう。
中高年に人気があるそば打ち。この絵本を見ていると、いろいろ難しくて、ちょっと手軽にやってみようという感じではなさそうだが、この一筋縄でいかない食べ物と真剣に向かい合おうという心と時間の余裕ができてくる時期に、人はそば打ちにはまるのではないだろうかと思った。
実用書としても使える詳しい解説付き。