1998年刊行。イネの種類、育て方、収穫や加工の仕方などを紹介する絵本。田んぼがなくてもできる方法がいろいろあり、身近な作物を自分で育てて観察できることがわかる。
実家が農家だったので、田んぼがあるのが当たり前の暮らしをしていた。しかし、手伝わないので、全然知らなかったことだらけだった。
小学校では、田植えと稲刈りを、全校生徒が経験した。保育所ではイナゴを捕まえるという体験もあった。捕まえたイナゴは、食べる。祖母が毎年楽しみにしており、大量のイナゴを捕まえては、茹でて佃煮にして食べていた。本書では紹介されていないが、秋の稲刈りごろに、田舎でよく見た風景だった。
あまりに身近だったので、田んぼのない人たちが、わざわざバケツや発泡スチロールの箱などで小さな田んぼを作って、稲を育てる理由がわからなかった。田んぼから離れてずいぶん経ってから、ようやく田んぼのある暮らしの良さがわかってきた。
長年稲を育ててきた祖父母のすばらしさも、ようやくわかってきた。
もっと早い時期に、それらの良さがわかっていればよかった。
農業の体験がある、なしに関わらず、お米を食べている人は、絵を見たり、説明を読んだりすると、心に残るところがきっとある本だと思う。