1998年刊行。身近な繊維:木綿の歴史や、種類、栽培方法や加工法を総合的に学べる学習絵本。種を蒔き、栽培し、収穫した綿で、糸を紡ぎ、布を織るところまで紹介。
時代劇などでも木綿の着物や布団などを見かけるから、てっきり古い時代から日本では利用されていたとばかり思っていた木綿。
思ったよりも歴史が浅く、一般に普及しだしたのは戦国時代の終わりごろになってからだという。
それまでは麻やそのほかの植物などから作った繊維を利用していた。寒い時期など、どうやって過ごしていたのだろうか?
また、ジーンズ類を職場で着用禁止にする理由もわかった。
もともとは労働用の作業着として開発されたものであり、正式な場面では不適切だと思われてきたという。ジーンズの発明以前のズボンは、破れやすかったりして不便だったらしい。当時は画期的な発明で、安くて丈夫な新素材。大人気で、生産量を上げるために、技術の革新もあったが、奴隷制、戦争、植民地などの問題も引き起こした。世界史に大きく関係する植物の1つだった。
知れば知るほど、人間の歴史に深いかかわりと、大きな影響をもっていることがわかる。相当勉強になった。
布は大切に扱わなければと思った。
子ども向けの本だが、情報量が多く、大人にも十分読み応えがある。