コブタくんが大好きなおばあちゃんの誕生日プレゼントにと考えた“お届けもの”は、とてもこどもらしく素直でいて素敵なんで思わず微笑んでしまいました。
実世界の郵便局の窓口に持っていったら断られそうな“お届けもの”ですが、「特別にやってみましょう」と快く引き受けてもらえて、遠く離れたおばあちゃんの家に向かって、配達に関わる大人一人ひとりを幸せな気持ちに変えていきながら、旅をしていきます。
我が家でも読む大人から読んでもらうこどもへと、くすぐったいような照れくさいような幸せな気持ちのお裾分けをもらえました。
中盤、順調にみえた幸せのリレーにヤマアラシくんが登場した時、「わあぁぁ…」と息子は困惑まじりの喚声をあげました。
大丈夫なの?…ほっ、大丈夫でした。
幸せの輪はバームクーヘンのようにどんどん大きくなって、無事おばあさんに届くのでした。すべての登場人物が幸せになる様子は「ぽんたのじどうはんばいき」を連想しました。
そして、おばあさんからの“お返事”がまた素敵なんです。大人としては、その先のリレーを想像してしまい「わあぁぁ…」と困惑と気恥ずかしさで喚声をあげてしまうかもしれません。“お返事”は直接したいなぁと思う僕は夢がないのかもしれませんね。
“お返事”が無事コブタくんに届くかは、最後まで読んだ人だけのお楽しみです。ラストのページの意味を息子と想像してニンマリした我が家でした。